今から10数年前、エコランドは、運送会社である株式会社ウインローダーの社内ベンチャーとしてスタートしました。
後に“失われた20年”と呼ばれた当時、日本経済全体低迷の余波を受け物流需要も低調だった商圏環境の危機打開の為に、従来の運送業務に代わる新しい物流を創りたいと想いから始まったプロジェクトでした。
日本には年間260万トンの粗大ゴミが発生し、海外での可能性も含めればその内の70%が再利用が可能と言われていました。そうした背景を踏まえ、誰かの“いらなくなったモノ”を回収し、誰かの“欲しい”に変える新たな物流を創造する。同時に、エコランドの誕生により従来の運送サービス・”動脈物流=製品を消費者に届ける物流”に”静脈物流=消費者が使用後、不用とされた品を回収する物流”加えて”循環型物流”という包括的な物流サービスを提供する運送会社に進化する事を意図しておりました。しかし、頭で描いていたビジネスプランを形にするには幾多の困難が待ち構えていました。新しいサービス開発に対する社内での反発に始まり、お客様に認めていただけるよう様な提供価値になるまでの試行錯誤の連続等々。事業開始後の7年間は赤字続きでした。何度か折れかかった心を支えたのは、10年先の未来を見据えた新しい物流を創らなければいけないという意志でした。
日本の物流業は産業規模25兆円、250万人の雇用を抱える一大産業ですが、その成長は、時代の変化と共に変わりゆく人々のライフスタイルに合わせサービスを開発し続けてきた歴史に支えられています。
宅急便、引越、産地直送。今や当たり前になったこれらの物流サービスは、立ち上げからの試行錯誤を繰り返し、今の形があります。かつてリユースと言う言葉すら知られていなかった時代から10数年。その言葉は市民権を得てリサイクルショップやメルカリといったサービスを使う消費行動は当たり前の光景となりました。その間、エコランド事業は運送会社ならではの強み“大きくて重たくてかさばるモノをスムーズに運ぶ技術”を活かし、関東圏在住のお客様が使用されなくなった家具や家電、生活雑貨を一万点以上回収しリユースして参りました。
2018年10月をもって、エコランドは株式会社ウインローダーの一提供サービスから独立し、株式会社エコランドとして分社化をいたします。ウインローダーは、これまでの事業領域である三多摩地域の動脈物流サービスに特化し、一方、エコランドはと事業立ち上げ以来、蓄積してきた単品管理やIT技術のノウハウを駆使し皆様から頂いたリユースアイテムを世界に届けるサービスへとステップアップしていきたいと思います。
あなたの“いらない”が、誰かの“欲しい”に変わる感動を提供する。
エコランドの物語には、まだまだ続きがあります。
株式会社エコランド 代表取締役 髙嶋 民仁
1974年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、東海銀行へ就職。27歳の時に、父が社長を務める東京三多摩地区を中心に運送事業を展開する株式会社ウインローダーへ入社。当時、既存運送事業の需要低下により売上減少に悩む同社において、新たな運送需要を創造するべく“使用しなくなった家具や家電を一般家庭から引取りリユースする物流サービス”エコランドを立ち上げ事業の柱に育てる。
早くより、トラックドライバーの働き方環境改革を運送会社単独の努力ではなく業界全体で行う必要性を感じており、一般社団法人「ドライバーニューディールアソシエーション」創設に奔走し、イベント「トラックドライバー甲子園アワード」の開催をプロデュース。 2015年より同法人の理事長に就任。